バジェ(盆地地帯):スクレ、タリハ、コチャバンバ
カル・オルコ白亜紀公園、タラブコ、タリハのワイナリー、ウルクピーニャ
sucre, bolivia

スクレ

スクレは、ボリビアの憲法上の首都でチュキサカ県の県都です。ボリビア中南部に位置し、標高は約2,750m。スクレは、「4つの名を持つ都市」ともいわれ、スクレの名称の他に、チャルカス、ビジャ・デ・オロペサ、そしてラ・プラタと呼ばれ親しまれています。植民地時代から、スクレは典型的なスペイン風の都市の姿を見せ、中心部の狭い通りは区画に沿って整然と配置されています。その街並みは、アンダルシア文化が色濃く反映されており、その様子は、市内に点在する大きな邸宅や多くの修道院や教会にも表れています。
18世紀まで、スクレはスペインの植民地支配下全体の司法や宗教、文化の中心地でした。1839年(スペインの)共和政時代、ボリビアの首都*に指定された後、独立運動の指導者アントニオ・ホセ・デ・スクレに敬意を表し街の名は「スクレ」に改名されました。
*首都としての機能や行政機関の所在地は、1898年に起こったボリビア内戦後、ラパスに移されました。

「白い街」と称されるスクレの街には、16世紀に建てられたコロニアル様式の白く美しい建物が街の至る所に保存状態良く残っています。そのような文化的価値や歴史的重要な背景を持つことから、1991年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。
スクレの観光名所には、スペインからの独立宣言が行われた、カサ・デ・ラ・リベルタ、修道院が基盤となったレコレタ博物館、ボリビアの文化遺産にも登録されているグロリエタ宮殿(一般開放あり)、スクレ旧市街にある美しい庭園と静寂な雰囲気に包まれた中央墓地、世界最大規模の恐竜の足跡が壁一面に残るカル・オルコ白亜紀公園、スクレの先住民族が織りなす作品や手工芸品が展示されたASUR先住民織物博物館などがあります。
スクレ周辺には美しい風景が広がっており、自然に触れながら散策やハイキングを楽しんだり、タラブコやハルカといった自然環境や先住民コミュニティとの文化交流などを体験することができます。また、考古学的・古生物学的に重要な場所として、フライレス山脈、マラグア、ポトロ、チャウナカ、チャタキージャなどの観光スポットがスクレには点在します。

タリハ

タリハは、ボリビア南部に位置する人口約20万人の都市です。美しい自然に囲まれ、釣りや国内最大級のワイナリーツアーなどのアクティビティが楽しめます。

観光名所:地域一帯で発見された化石や古代生物の遺物を収蔵・展示している古生物学博物館、趣のある古いスペイン風建築のサン・フランシスコ教会、タリハ市街の中心部に位置する歴史的なカトリック教会メトロポリタン大聖堂、公演や美術展などが開催されるタリハの文化活動の中心地カサ・ドラダなど

タリハには、標高1,700mを超える高地で育ったブドウから生まれる、香り高いワインやシンガニ*が楽しめる特別な場所です。地域には魅力的なワイナリーや蒸留所が点在し、自然や文化にふれながら巡るツアーも人気を集めています。
*シンガニは、ぶどうから作られる蒸留酒で、ボリビアを代表するスピリッツの一つです。

タリハ市の郊外には、人口約2,500人の町、バジェ・デ・コンセプシオンがあります。この街には、ワイナリーが多く点在し、ブドウ畑の見学やワインのテイスティング・販売、また、天然温泉などのサービスが提供されています。タリハ市街から、わずか25分程の場所にあるので、気軽に訪れることができます。(ツアーを通さず個人で訪れる際のブドウ畑やワイナリー見学については訪問予定のワイナリーに事前にお問い合わせされることを推奨します。)
また、タリハでは、ブドウの収穫とワインやシンガニの生産を祝う伝統的な祭り「チャパカのブドウ収穫祭(Vendimia de Chapaca)」が毎年開催されます。ブドウの収穫は、1年間の栽培の成果が結実する瞬間であり、ワイン生産者にとって最も重要な節目となります。収穫の数日前からは、「芸術とワインの出会い」というイベントが始まります。これは10日間程続き、様々なジャンルのアーティストが集まります。コンセプシオン渓谷の中心広場では、絵画や彫刻アーティストたちが作品を作りながら、地域の人やイベントに訪れた人たちと交流します。

タリハ市は、温暖で快適な気候に恵まれた広大な谷間に位置しています。タリハとその周辺地域は、リラクゼーションの時間を過ごせる憩いの場であり、前述のように、美しいブドウ畑が広がる魅力あふれるエリアです。タリハは、民俗や文化、宗教の伝統が息づいており、街の美しい公園や広場は、コロニアル様式と(スペインの)共和制様式の建物がタリハの街と調和しています。大聖堂やサン・フランシスコ修道院、カサ・ドラダ、サン・ロケ教会など、文化的価値の高い歴史ある建造物が今もなお綺麗な姿のまま存在しています。
タリハに暮らす人々の特徴ともいえる、根っこからの陽気さや明るさは、タリハのカーニバル、守護聖人の祭典といったフェスティバルにとても反映されています。

カサ・ドラダ(黄金の家)
ボリビアの国定記念遺産であるカサ・ドラダは、フランスのアール・ヌーヴォ様式の建築で知られ、タリハ市で最も重要な観光名所の一つです。現在は、博物館や劇場を併設し、芸術やカルチャープログラムなどの活動を支えるを文化施設として利用されています。

タリハの基本情報
場所:タリハ県セルカド郡
標高:約1,870m
気温:年間平均19

コチャバンバ

ラパスやサンタクルスと共に、国の中心を担う都市コチャバンバ。アンデス山脈内にある盆地に位置し、広大で肥沃な農地と緑あふれる自然に囲まれた魅力あふれる都市です。コチャバンバはボリビア髄逸のグルメ豊かな都市としても知られ、市内には本格的なボリビアの伝統料理を振舞うレストランが数多く存在します。1571年に、ペルー副王領の一部として築かれたコチャバンバは、ポトシやオルーロなど西部の鉱山都市に食料を供給するための農業の拠点という役割を担っていました。市内中心部には、植民地時代の趣を残す歴史的建造物と、現代的な建築が調和・共存しています。中でも最大の見どころは、「クリスト・デ・ラ・コンコルディア(平和のキリスト像)」で、リオデジャネイロのキリスト像をわずかに上回る壮大なスケールを誇ります。

観光名所:クリスト・デ・ラ・コンコルディア、コチャバンバ市街地中心部に位置する914日広場、コチャバンバ市民に欠かせないラ・カンチャ市場、ボリビアの重要な建造物であるポルタレス宮殿(またはシモン・パティーニョ教育・文化センター)など。

コチャバンバ市街から約91kmに位置する町ビジャ・トゥナリには、エスピリトゥ・サント川とサン・マテオ川が交わるチャパレ川が流れています。ビジャ・トゥナリの町は、熱帯雨林の真ん中に位置するため、マチア公園やカラスコ国立公園など複数の自然保護区があります。マチア公園内には、数多くの野生動物が保護されているインティ・ワラ・ヤシ保護区があります。ビジャ・トゥナリはまるでジャングルのテーマパークのようです。

コチャバンバでは、毎年815日にウルクピーニャと呼ばれるフェスティバルが開催されます。このフェスティバルは、ウルクピーニャの聖母マリア(Virgen de Urkupiña)への信仰を祝うもので、ボリビア国内外から毎年50万人以上もの巡礼者や観光客が訪れます。5日間にわたり開催されるウルクピーニャは、宗教儀式や先住民族の伝統的なダンスが披露される大変にぎやかなフェスティバルです。

コチャバンバ市街からトロトロ国立公園を訪れることもできます。トロトロ国立公園へは、コチャバンバ市街からアクセスでき、道中訪れる典型的な盆地の町として知られるタラタを経由します。トロトロ国立公園は、古生物学者や地質学者、洞窟探検愛好家にとって興味深い目的地です。訪れた者の目を引くのは、国立公園内で発見された恐竜の足跡や浪漫あふれる白亜紀の化石です。また、国立公園内には、40以上もの洞窟があると推定されており、その中の一つ、ウマハランタ洞窟が観光客に現在公開されています。

コチャバンバは、アンデスの高山地域とアマゾンの熱帯地域が交わる特別な場所です。そんなボリビアの中央とも呼べるコチャバンバは、多彩な自然景観が楽しめるエリアです。恵まれた気候と肥沃な土地に恵まれたコチャバンバの美しい谷は、古くから農業の中心地として栄えてきました。インカ時代から存在していたとされるインカジャルタの町、そしてスペイン支配下時代に発展したタラタ、ミスケ、アイキレ、トトラといった町は、刻まれてきた過去や時代という豊かな歴史を今に伝えています。

他にも、コチャバンバの熱帯地域には、ボリビアの自然保護区および先住民コミュニティが暮らすイシボロ・セクレ国立公園や、コチャバンバとサンタクルスに跨るカラスコ国立公園などがあります。プエルト・ビジャロエルや、前述のビジャ・トゥナリといった町は、自然観察やアドベンチャーツーリズム、さらに先住民族コミュニティとの交流に理想的な場所です。

コチャバンバの基本情報
場所:コチャバンバ県セルカド群
標高:約2,558m
気温:年間平均23

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